インプラントの注意事項
2024年2月25日
インプラントの注意事項
インプラント治療を受けることによって何でも噛めて見た目も素晴らしい第3の歯を取り戻した方もいらっしゃいます。
その反面、高い料金をかけて痛い思いをしたにも関わらずインプラント治療が失敗に終わり外さないといけない方も多く来院されています。
マスコミの取り上げ方も不親切で、いたずらに恐怖を煽る記事や、逆に何でもかんでも素晴らしい夢のような治療とする記事が乱立しています。
何を信じていいかわからない混沌とした状態になっています。
ここでは高額な治療費となるインプラント治療を行う前の考慮事項10を説明したいと思います。
1.インプラントの適応・非適応をご存知ですか
インプラント治療は万能ではありません。
いい面もあれば悪い面ももちろんあります。
外科処置が必要、骨のボリュームがある程度必要、骨の密度も重要、全ての症例が100%成功はありえない。
高額の治療費がかかる、治療には長期間の時間が必要、全て悪い面です。
いい面が悪い面を大きく上まっていないと治療を受ける価値はありません。
適応非適応がどんなケースでも必ず存在します。
あなたは本当にインプラント治療の適応なのですか?
入れ歯ではどうしても駄目なのですか?
2.残せる歯を抜いてインプラントを入れていませんか
歯科の商業雑誌を見ていると予知性がない(長持ちしないかもしれない)という言葉をよく見かけます。
そのため、まだもう少し持つ歯を抜いてインプラントを入れているケースも目にします。
本当にあなたの歯は抜かないといけないのでしょうか?
インプラント以外に他にもっと安くて長持ちするいい方法はないのでしょうか?
何でもかんでもインプラントでは得するのはあなたではなく歯医者だけかもしれません。
なるべく自分の歯を残す治療が大切です。
3.インプラントといっても、いろいろな種類があります(40種類以上)
インプラント治療にも歴史があり過去一声を風靡したけど今は消え去った種類も数多くあります。
今信頼できるインプラントの種類は10もありません。
導入する当初の価格が安いからといって弱小メーカーのインプラントを導入した医院かもしれません。
もしかしたら数年後販売停止となってアフターサービスが受けられない可能性があります。
あなたがする予定のインプラントの名称をぜひ聞いて下さい。
そしてすぐにインターネットでそのインプラントを検索して信頼できるかどうか調べましょう。
ちなみに今の世界の主流は、オステオインテグレーション(骨との結合)が得られるチタン製のスクリュー型のインプラントです。
4.価格は適正ですか
インプラント治療の導入には高い費用がかかります。
セミナーで講習を受けるにも馬鹿高い受講料が必要です。
国内でやっていないセミナーもたくさんあります。
しかも、信頼のおけるインプラントだと、材料費だけで7万を超えてしまいます。
そのため、インプラントの治療費は高額になってしまいます。
通常のタイプで1本植立するのに30万以下は個人的には安すぎると思っています。
トータルの治療費も重要です。
骨を増やす処置、インプラント治療費、上にいれる歯はどれも保険は効きません。
トータルで幾らかかりますか?とても大切なことです。
歯医者の先生に全てお任せにしても決して安くしてはくれないでしょう。
5.歯科医師はどれだけ経験がありますか
歯科医院が増えてくると、今までインプラント治療を行っていなかった医院もインプラント治療を始めます。
しかし、インプラント治療は高い技術が必要なのはもちろんのこと、日進月歩の分野です。
あなたの担当の先生は本当にインプラントについて研修を重ね、勉強していますか?
また、今まで何年の経験、トータルで何本のインプラント植立の経験がありますか?失敗例はありますか?大切なことです。
先日あるインプラントメーカーのアドバンスセミナーに参加しようと申し込みました。
今まで200本以内の経験しかない歯科医師は経験が少ないという理由で断るんですと教えてくれました。
200本はひとつの目安になるかもしれません。
6.医院の雰囲気、先生は信頼できますか
評判がよい医院は流行っていますし、医院にも活気があります。
インターネットや雑誌の誇大広告で例え多くの患者を集めても、評判が悪ければ医院に活気はありません。
また先生が信頼できないと感じると、思い切って転医する勇気も必要です。
あなたの大切な歯を本当にその医院、その先生に任せていいかどうかもう一度自問自答してください。
インプラント治療を強引に薦める先生は要注意です。
セカンドオピニオン(主治医以外の歯科医師のコメント)を求める勇気もあなたには必用です。
7.設備は万全ですか
インプラント治療の際には、感染防止対策が必要です。
完全個室のオペ室、入り口の自動ドア、手術用の空気清浄機、これらが設置されていますか。
滅菌器は、ヨーロッパ基準(prEN13060)クラスBオートクレーブですか。
術野を見やすくする手術用の無影灯、長時間でも苦痛にならない柔らかいチェアー、常備されていますか。
また、CT撮影は、インプラントにおいて必須です。撮影できますか。
8.あなたはタバコを吸いますか
煙草を吸う行為はインプラントの成功を妨げます。
もし、あなたがヘビースモーカーで、上顎のインプラント治療を予定しているなら、
私はあなたが禁煙するかインプラントはあきらめるかどちらかをお勧めします。
まだ、下顎の成功率は高いのですが。
9.ビスフォネート系薬剤を投与されていませんか
ビスフォネート系薬剤を投与されている方のインプラント治療は、顎骨壊死、顎骨骨髄炎を発現します。
残念ながら非適応です。
10.残っている歯は大丈夫ですか
インプラントを長持ちさせるためには、残っている歯がしっかりしていることも大切です。
インプラントが残っている歯を守り、歯がインプラントを守る、相互防御が必要なのです。
そのためには、歯周病や虫歯を予防することが大切です。
歯周病や虫歯を予防には、歯を毎日磨くことはもちろん、歯科医院で定期検診を受けることが必須なのです。
私たちにとって、歯は快適な生活をする為に欠かせない、とても大切なものです。
歯を失ってしまうと食事に支障が出るだけでなく、見た目も非常に悪くなってしまいます。
しかし、歯を失ってしまっても、インプラントによって見た目も噛み合わせも自然歯と変わらない機能を取り戻すことができます。
また、使用中の入れ歯が合わない方であっても、適切な入れ歯治療を行うことで充分な咀嚼力を手に入れることができるのです。
歯に関するお悩みをお持ちの方はそのまま放置せず、歯科医院で自分に合った治療方法を相談をしましょう。