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矯正で抜歯が必要なケースとは?抜歯あり・なしの判断基準を解説

2026年7月3日

目次

矯正治療で抜歯が必要になる理由とは?

矯正治療で抜歯が必要になる根本的な理由は、「歯を並べるためのスペースが足りない」ことです。顎骨が小さく、歯の大きさとのバランスが合わない場合、そのままでは歯をきれいに並べることができません。

歯並びが悪くなる主な原因は、歯の数・大きさに対して顎の骨格が小さいことにあります。スペース不足の状態で無理に歯を動かすと、後戻り(矯正後に歯並びが元に戻る現象)や口元の突出(口ゴボ)が生じるリスクがあります。

抜歯をする目的は大きく4つに分類できます。

 

  • デコボコ(叢生)を解消するためのスペース確保
  • 上下歯列の噛み合わせのズレを補正するため
  • 前歯の角度・位置を改善するため
  • 口元の突出(口ゴボ)を改善して美しい横顔を実現するため

 

これら4つの問題を抜歯以外の方法で解決できれば非抜歯矯正が可能です。解決できない場合は抜歯矯正が適応となります。

かわさと歯科・矯正歯科|大阪・北新地

抜歯の有無に関する診断は、当院の矯正相談でご確認いただけます。

月火水金土 10:00〜13:30 / 15:00〜18:00|木・日・祝休診

 

抜歯・非抜歯を分ける4つの判断基準とは?

 

抜歯か非抜歯かを決める判断基準は、主に叢生量・噛み合わせのズレ・前歯の角度・口元の突出度の4項目です。これらを総合的に評価して治療方針を決定します。

 

①叢生(デコボコ)の量

歯のデコボコが大きいほど、歯を並べるためのスペースが多く必要になります。小臼歯1本は幅7〜8mmあり、上下左右4本を抜歯すると最大14〜16mmのスペースを確保できます。デコボコが非常に大きい症例では、この抜歯によるスペース確保が最も確実な方法です。

一方、軽度の叢生であれば、奥歯の後方移動・歯列の側方拡大・歯の側面を少量削る「ストリッピング(IPR)」などを組み合わせることで、非抜歯でもスペースを作れる場合があります。

 

②上下歯列の前後的な噛み合わせのズレ

上下の歯列が前後にズレている「AngleⅡ級(上顎前突)」や「AngleⅢ級(下顎前突)」の症例では、ズレを補正するために抜歯が必要になることがあります。ズレが大きいほど抜歯の必要性が高まります。

 

③前歯の角度

前歯が過度に前傾している場合、抜歯によってスペースを作り前歯を後退させる必要があります。前歯の角度が適正範囲から大きく外れているケースでは、非抜歯のみでの改善が難しいことがほとんどです。

 

④口元の突出度(口ゴボ)

口元が前方に突出している「口ゴボ」の改善には、前歯を後退させるためのスペースが必要です。日本人の理想的な横顔の基準である「Eライン」(鼻先と顎先を結ぶ線)に対して、上唇が2mm前方・下唇がライン上に位置するのが美しい横顔とされています。口ゴボが強い場合は抜歯矯正でEラインを整えることが有効です。

 

矯正で抜歯する歯はどこ?〜小臼歯が選ばれる理由

矯正治療で抜歯する歯は、前歯から数えて4番目の「第一小臼歯」または5番目の「第二小臼歯」が一般的です。これらは噛み合わせへの影響が比較的少なく、抜歯後のスペースを前歯の移動に活用しやすい位置にあります。

前歯は食べ物を噛み切る重要な役割を持ち、犬歯(3番目)は他の歯への負担を分散する機能があるため、基本的には抜歯対象になりません。小臼歯は奥歯と前歯の中間に位置するため、歯の移動距離を短く抑えられる点もメリットです。

 

また、親知らず(第三大臼歯)が斜めに生えていて矯正の妨げになる場合や、矯正後の歯並びを乱すおそれがある場合は、親知らずを抜歯することもあります。なお「非抜歯矯正」とは「親知らず以外の歯を抜かない矯正」を指すことが多く、親知らずの抜歯は非抜歯矯正でも行われる場合があります。

 

非抜歯矯正が可能なケースとは?〜スペース確保の5つの方法

 

非抜歯矯正が可能かどうかは、抜歯以外の方法でスペースを確保できるかどうかにかかっています。スペース確保の方法は抜歯を含めて主に5つあります。

 

  • 抜歯:最も確実にスペースを作れる方法。小臼歯1本で7〜8mm確保可能。
  • 奥歯の後方移動:奥歯を後ろに動かして5mm前後のスペースを作る。インビザラインなどのマウスピース矯正が得意とする方法。ただし親知らずの抜歯が前提となることが多い。
  • 歯列の側方拡大:歯列を横に広げてスペースを作る。側方拡大1mmにつき約0.7mmのスペースが得られるとされています。ただし日本人は拡大可能量が小さいことが多く、単独では不十分なケースも多い。
  • ストリッピング(IPR):歯の側面をわずかに削ってスペースを作る方法。軽度の叢生に有効。
  • 前歯の唇側傾斜:前歯をわずかに前傾させてアーチを広げる方法。ただし口元の突出につながるリスクがあるため慎重な判断が必要。

 

これらの方法を組み合わせることで、軽度〜中等度の叢生であれば非抜歯矯正が可能なケースも多くあります。ただし、無理な非抜歯矯正は後戻りや口ゴボのリスクを高めるため、専門医による精密な診断が不可欠です。

 

非抜歯矯正に向いているケース

 

  • 叢生が軽度〜中等度で、スペース不足が小さい症例
  • すきっ歯など、もともと歯列に余分なスペースがある症例
  • 成長期の子ども(6〜10歳):顎の骨が柔らかく、顎の成長を促すことで永久歯がきれいに並ぶ土台を作れる
  • 口元の突出が軽微で、Eラインへの影響が少ない症例

 

抜歯矯正が必要になりやすいケース

 

  • 叢生が重度で、スペース不足が大きい症例
  • 出っ歯(上顎前突)受け口(下顎前突)の程度が大きい症例
  • 口ゴボの改善を目的とする場合
  • 上下の噛み合わせのズレが大きいAngleⅡ級・Ⅲ級症例

 

抜歯矯正・非抜歯矯正のメリット・デメリットは?

抜歯矯正と非抜歯矯正にはそれぞれ特徴があります。どちらが優れているというわけではなく、症例に合った選択をすることが最も重要です。

 

抜歯矯正のメリット・デメリット

 

  • メリット①:確実にスペースを確保でき、重度の叢生や口ゴボにも対応できる
  • メリット②:前歯を大きく後退させてEラインを整えやすい
  • メリット③:後戻りのリスクが非抜歯矯正より低い傾向がある
  • デメリット①:健康な歯を抜くことへの心理的な抵抗感がある
  • デメリット②:抜歯費用が1本あたり5,000〜1万円程度かかる(自由診療)
  • デメリット③:治療期間がやや長くなる場合がある

 

非抜歯矯正のメリット・デメリット

 

  • メリット①:健康な歯を温存できる
  • メリット②:抜歯の費用・時間・身体的負担がない
  • メリット③:軽度症例では治療期間が短くなる場合がある
  • デメリット①:重度の叢生や口ゴボには対応できない
  • デメリット②:無理に非抜歯で治療すると後戻りや口元の突出が生じるリスクがある
  • デメリット③:噛み合わせの改善が不十分になる場合がある

 

公益社団法人 日本矯正歯科学会(2014年4月公開)の診療ガイドライン「上顎前突編」でも、上顎前突症例における抜歯・非抜歯の適応基準が示されており、症例の重症度に応じた選択が推奨されています。

 

当院の矯正歯科の詳細・診断の流れは、こちらをご覧ください。

 

矯正治療の種類と抜歯の関係〜ワイヤー・マウスピース・ハイブリッド矯正

 

矯正治療の方法によって、抜歯が必要なケースへの対応力が異なります。ワイヤー矯正・マウスピース矯正・ハイブリッド矯正それぞれの特徴を理解することが重要です。

 

ワイヤー矯正(表側・裏側)と抜歯

ワイヤー矯正は歯に直接ブラケットを装着して歯を動かす方法です。抜歯を伴う重度の叢生や口ゴボ、複雑な噛み合わせのズレにも対応できる汎用性の高い治療法です。かわさと歯科・矯正歯科では、表側矯正に目立ちにくいセラミックブラケット「オームコのスピリットMB」を採用し、裏側矯正では「オームコのSTbライトリンガルシステム」を使用しています。裏側矯正はセットアップ模型と装着用ジグを用いることで治療精度を高めています。

 

マウスピース矯正(インビザライン)と抜歯

マウスピース矯正は透明なアライナーを使って歯を動かす方法です。奥歯の後方移動が得意で、軽度〜中等度の症例では非抜歯での治療が可能なケースも多くあります。かわさと歯科・矯正歯科では世界シェア第1位のインビザラインを採用しており、世界100ヵ国以上・900万人を超える使用実績があります。治療前に「iTero」という口腔内スキャナーで治療後の歯並びをシミュレーションできるため、抜歯の必要性についても視覚的に確認しながら治療方針を決定できます。

 

ハイブリッド矯正と難症例への対応

ハイブリッド矯正は、最初にワイヤー矯正で歯を大きく動かし、その後マウスピース矯正で微調整を行う治療法です。抜歯を伴う難症例にも対応でき、治療期間の大幅な短縮が可能です。また、歯科矯正用アンカースクリュー(顎骨に小さなネジを植立して固定源にする装置)を併用することで、奥歯の後方移動や前歯の後退をより効率的に行えます。日本矯正歯科学会(第二版公開)の「歯科矯正用アンカースクリューガイドライン」でも、アンカースクリューの適切な使用方法が示されています。

 

矯正治療の費用〜抜歯ありの場合はいくらかかる?

矯正治療の費用は、抜歯の有無・治療法の種類・症例の難易度によって異なります。抜歯を伴う場合は、矯正治療費に加えて抜歯費用が加算されます。

矯正のために行う抜歯は自由診療となり、費用は1本あたりおおむね5,000〜1万円です。上下左右4本の小臼歯を抜歯する場合は、合計2〜4万円程度が目安となります。ただし、親知らずが虫歯や歯周病の原因になっており抜歯が必要と判断される場合は、保険適用になることもあります。

 

かわさと歯科・矯正歯科では、治療前のセカンドオピニオンにも対応しており、検査料・診断料は77,000円です。毎月の管理料は5,500円、クリーニング料は3,300円が発生します。矯正治療は年齢制限がなく、お口周りが健康であれば大人になってからでも治療を受けられます。治療期間は数年で、月に1〜2回程度の通院が必要です。

 

当院は総合歯科医院であるため、矯正治療だけでなく抜歯・虫歯治療・歯周病治療まで一つの医院で完結できます。複数の医院を受診する手間がなく、一貫した治療計画のもとで安心して治療を進められます。

 

矯正で後戻りを防ぐには?〜抜歯の判断が後戻りリスクに影響する

矯正治療後の後戻り(歯並びが元に戻る現象)は、抜歯・非抜歯の判断が適切でなかった場合に起こりやすくなります。スペースが不十分なまま非抜歯で矯正すると、歯が元の位置に戻ろうとする力が強くなるためです。

後戻りを防ぐためには、治療後の保定装置(リテーナー)の装着が不可欠です。また、舌で前歯を押し出す「舌癖」がある場合は、舌訓練を併用することで後戻りのリスクを低減できます。

 

かわさと歯科・矯正歯科では、矯正治療後に歯並びが戻ってしまった場合にも対応しています。多くの場合は部分的な矯正で済むため、全体矯正と比較して費用が安く治療期間も短くなります。後戻りが気になる方もお気軽にご相談ください。

矯正治療で抜歯が必要かどうかは、精密な検査と診断なしに判断することはできません。大阪・北新地駅から徒歩1分のかわさと歯科・矯正歯科 矯正では、iTeroによる治療前シミュレーションや、ワイヤー矯正・インビザライン・ハイブリッド矯正など多様な治療法に対応しています。抜歯あり・なしの判断も含め、あなたに最適な治療計画をご提案します。土曜18時まで診療、西梅田駅から徒歩2分・大阪駅から徒歩5分のアクセスの良い立地です。まずはお気軽にご相談ください。

 

よくある質問

矯正治療で必ず抜歯しなければなりませんか?

必ずしも抜歯が必要なわけではありません。叢生が軽度〜中等度で、奥歯の後方移動や歯列拡大などでスペースを確保できる場合は非抜歯矯正が可能です。ただし、重度の叢生や口ゴボの改善には抜歯が必要になるケースが多くあります。

 

抜歯矯正で抜く歯はどこですか?

一般的には前歯から4番目の「第一小臼歯」または5番目の「第二小臼歯」を抜歯します。これらは噛み合わせへの影響が少なく、矯正のスペース確保に適した位置にあります。親知らずが矯正の妨げになる場合は親知らずを抜くこともあります。

 

非抜歯矯正のリスクはありますか?

スペースが不十分な状態で無理に非抜歯矯正を行うと、後戻り(矯正後に歯並びが元に戻る現象)や口元の突出(口ゴボ)が生じるリスクがあります。噛み合わせの改善が不十分になる場合もあるため、専門医の診断が重要です。

 

インビザライン(マウスピース矯正)でも抜歯矯正はできますか?

インビザラインでも抜歯を伴う矯正治療は可能です。ただし、重度の症例ではワイヤー矯正やハイブリッド矯正の方が対応しやすいケースもあります。iTeroによるシミュレーションで治療後のイメージを確認しながら方針を決定できます。

 

矯正の抜歯費用はいくらですか?

矯正のための抜歯は自由診療となり、1本あたりおおむね5,000〜1万円が目安です。上下左右4本を抜歯する場合は合計2〜4万円程度かかります。親知らずが虫歯・歯周病の原因となっている場合は保険適用になることもあります。

 

子どもの矯正は非抜歯で治療できますか?

成長期(6〜10歳)の子どもは顎の骨が柔らかく、顎の成長を促すことで永久歯がきれいに並ぶ土台を作れるため、非抜歯で治療できる可能性が高まります。早期に歯科医院へ相談することをおすすめします。

 

口ゴボは非抜歯矯正で改善できますか?

口ゴボ(口元の突出)の改善には前歯を後退させるスペースが必要なため、多くのケースで抜歯矯正が必要です。非抜歯で治療すると歯並びは改善しても口元の突出が残る場合があります。Eラインを整えるためには抜歯矯正が有効です。

 

矯正治療後に後戻りした場合はどうすればよいですか?

矯正後に後戻りが生じた場合、多くのケースは部分矯正で対応できます。全体矯正と比較して費用が安く治療期間も短いため、早めに歯科医院へご相談ください。保定装置の再装着で改善する場合もあります。

 

抜歯矯正と非抜歯矯正、どちらが後戻りしにくいですか?

適切な症例選択がなされた場合、抜歯矯正の方が後戻りリスクが低い傾向があります。スペースが十分に確保されているため、歯が元の位置に戻ろうとする力が小さくなるためです。ただし、どちらの場合も保定装置の装着は必須です。

 

セカンドオピニオンは受けられますか?

かわさと歯科・矯正歯科ではセカンドオピニオンに対応しています。検査料・診断料は77,000円です。抜歯の必要性について他院の診断に疑問がある場合もお気軽にご相談ください。

 

まとめ

矯正治療で抜歯が必要かどうかは、叢生量・噛み合わせのズレ・前歯の角度・口元の突出度の4基準を総合的に評価して判断します。非抜歯矯正への希望は理解できますが、スペースが不十分な状態で無理に歯を残すと後戻りや口ゴボのリスクが高まります。抜歯・非抜歯の判断は精密検査と専門医の診断のもとで行うことが最善です。iTeroシミュレーションやハイブリッド矯正など多様な選択肢を持つ総合歯科医院への相談をおすすめします。

 

かわさと歯科・矯正歯科|大阪・北新地

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著者情報


院長
川里 邦夫

 

資格・所属学会・団体

日本歯周病学会専門医・指導医

顎咬合学会認定医・指導医

SJCD(日本臨床歯科学会)認定医

歯科審美学会認定医

矯正歯科学会

口腔インプラント学会専門医・指導医

補綴歯科学会

臨床歯周病学会認定医・歯周インプラント認定医

 

OJ正会員・フェローシップメンバー

AO(アメリカインプラント学会)

AAP(アメリカ歯周病学会)

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