セラミックでも虫歯になる?原因と注意点を歯科医が解説
2026年1月22日

目次
セラミック治療を受けた歯でも虫歯になることがあります
「セラミックにしたから、もう虫歯の心配はない」と思っていませんか?
実は、セラミックの歯でも虫歯になる可能性があります。セラミック自体は陶器と同じ素材で虫歯にはなりませんが、その下にある天然の歯が虫歯になってしまうことがあるのです。これを「二次カリエス」または「二次虫歯」と呼びます。
セラミック治療は、見た目の美しさだけでなく、銀歯と比べて虫歯の再発リスクを大幅に下げられる優れた治療法です。しかし、どれほど良い素材であっても、再発のリスクが完全にゼロになるわけではありません。
この記事では、セラミックの歯でも虫歯になる原因と、その予防法について詳しく解説します。セラミック治療を受けた方、これから受けることを検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
セラミックの歯が虫歯になる仕組みとは
セラミック自体は虫歯にならない
セラミックは陶器と同じ素材で作られています。
この素材自体は虫歯菌の影響を受けることがありません。虫歯菌は歯の表面に付着し、糖分を分解して酸を作り出すことで歯を溶かしていきますが、セラミックはこの酸によって溶けることがないのです。
また、セラミックの表面は非常に滑らかで、汚れや細菌が付着しにくい性質を持っています。銀歯やプラスチックと比べても、プラーク(歯垢)が溜まりにくく、清潔な状態を保ちやすいという特徴があります。
問題は「セラミックと天然歯の境界部分」
虫歯が再発する原因は、セラミックと天然の歯の境目にあります。
どれほど精密に作られたセラミックであっても、時間の経過とともにわずかな隙間や段差が生じることがあります。この隙間に細菌が入り込むと、セラミックの下にある天然の歯が虫歯になってしまうのです。
特に問題なのは、この虫歯が外から見えにくいという点です。セラミックの下で虫歯が進行していても、表面からは気づきにくいため、発見が遅れてしまうケースが少なくありません。気づいたときには、すでに大きな虫歯になっていることもあります。
治療の精度が再発リスクを左右する

セラミック治療の精度は、虫歯の再発リスクに大きく影響します。
精密な型取りと、ミクロン単位での調整を行うことで、セラミックと天然歯の間の隙間を最小限に抑えることができます。当院では、マイクロスコープを活用した精密治療を行い、被せ物と歯との隙間を極限まで減らすことで、長期的な安定性を追求しています。
また、使用する接着剤の質も重要です。保険診療で使用される接着剤と比べて、自費診療で使用できる高品質な接着剤は、長期間にわたって安定した接着力を維持できます。
銀歯と比べてセラミックは虫歯になりにくい理由
銀歯は時間とともに変形する
銀歯は金属の性質上、温度変化によって膨張と収縮を繰り返します。
食事のたびに熱いものや冷たいものを口にすることで、銀歯はわずかに形が変わっていきます。この変化は肉眼では確認できないほど小さなものですが、長年使用していると、天然の歯との間に隙間や段差が生まれてしまうのです。
また、金属は唾液中の成分によって徐々に腐食していきます。この腐食によっても、銀歯と歯の境目に隙間ができやすくなります。一般的に、銀歯の耐用年数は2年から5年程度と言われており、セラミックと比べると大幅に短いのが現状です。
セラミックは長期間安定した形を保つ
セラミックは、水分を吸収せず、腐食もしません。
日常生活での温度変化や唾液の影響を受けにくいため、長期間にわたって安定した形を保つことができます。精密に製作されたセラミックは、歯や歯茎にしっかりと密着し続けるため、細菌の侵入を最小限に抑えられます。
研究によると、セラミックの耐用年数は10年から15年程度とされており、適切なケアとメンテナンスを行えば、20年以上使用できるケースもあります。これは銀歯の2倍以上の寿命です。
表面の滑らかさが清潔さを保つ

セラミックの表面は、銀歯やプラスチックと比べて非常に滑らかです。
この滑らかさによって、汚れや細菌が付着しにくく、日々の歯磨きでも効率的に清潔な状態を保つことができます。銀歯の場合、表面に細かな傷がつきやすく、その傷に汚れが溜まって細菌が繁殖しやすくなります。
また、銀歯はわずかに帯電しているため、汚れを引き寄せやすい性質があります。一方、セラミックにはこのような性質がないため、より清潔な状態を維持しやすいのです。
セラミックの歯が虫歯になる主な原因
日々の歯磨きが不十分
どれほど優れた素材を使っていても、毎日の歯磨きを怠ると虫歯のリスクは高まります。
セラミックと天然歯の境目は、特に丁寧に磨く必要があります。この部分に汚れが溜まると、細菌が繁殖し、天然の歯が虫歯になってしまいます。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、細かな部分まで清潔に保つことが大切です。
定期検診を受けていない
セラミック治療後も、定期的な検診とクリーニングが必要です。
歯科医院での定期検診では、自分では気づきにくい初期の虫歯や、セラミックと歯の境目の状態を確認できます。また、プロフェッショナルクリーニングによって、日常の歯磨きでは落としきれない汚れを除去することができます。
当院では、セラミック治療を受けられた患者さまに対して、3ヶ月から6ヶ月ごとの定期検診をおすすめしています。早期発見・早期治療によって、歯の寿命を大きく延ばすことができます。
噛み合わせのバランスが崩れている

噛み合わせが合っていないと、特定の歯に過度な力がかかります。
この力によって、セラミックと歯の境目に負担がかかり、わずかな隙間が生じることがあります。また、セラミック自体が欠けたり割れたりするリスクも高まります。当院では、セラミック治療を行う際に、必ず噛み合わせを含めた診査・診断を行い、口腔内全体のバランスを考慮した治療計画を立案しています。
治療時の精度が不十分だった
セラミック治療の精度は、歯科医院によって大きく異なります。
型取りの方法、使用する接着剤の質、セラミックを製作する歯科技工士の技術など、さまざまな要素が治療の精度に影響します。精度の低い治療では、最初から隙間や段差が存在することがあり、虫歯の再発リスクが高くなってしまいます。
セラミックの歯を虫歯から守る予防法
毎日の丁寧な歯磨きを習慣化する
基本的なことですが、毎日の歯磨きが最も重要です。
食後は必ず歯を磨き、特にセラミックと天然歯の境目を丁寧にブラッシングしてください。歯ブラシは毛先が細く、柔らかいものを選ぶと、細かな部分まで届きやすくなります。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れもしっかり除去しましょう。
当院では、患者さま一人ひとりの口腔内の状態に合わせたブラッシング指導を行っています。正しい磨き方を身につけることで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
フッ素を活用して歯を強化する
フッ素には、歯の表面を強化し、虫歯菌の活動を抑える効果があります。
フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、日常的に歯を守ることができます。また、歯科医院でのフッ素塗布も効果的です。高濃度のフッ素を定期的に塗布することで、より強力な虫歯予防効果が期待できます。
定期検診とプロフェッショナルクリーニングを受ける

3ヶ月から6ヶ月に一度、歯科医院での定期検診を受けましょう。
定期検診では、虫歯や歯周病の早期発見だけでなく、セラミックの状態や噛み合わせのチェックも行います。また、プロフェッショナルクリーニングによって、日常の歯磨きでは落としきれない歯石やバイオフィルムを除去できます。
当院では、マイクロスコープを使った精密な検査を行い、わずかな変化も見逃しません。早期に問題を発見することで、大がかりな治療を避けることができます。
噛み合わせの定期的なチェックと調整
噛み合わせは、時間とともに変化することがあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、特に注意が必要です。定期検診の際に噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整を行うことで、セラミックへの過度な負担を防ぐことができます。
かわさと歯科・矯正歯科のセラミック治療の特徴
マイクロスコープによる精密治療
当院では、すべてのセラミック治療にマイクロスコープを活用しています。
マイクロスコープは、肉眼の数十倍の拡大視野で治療を行える装置です。これによって、ミクロン単位での精密な処置が可能になり、セラミックと歯との隙間を最小限に抑えることができます。この精密さが、長期的な美しさと安定性につながります。
世界水準の歯科技工士との連携
セラミックの品質は、それを製作する歯科技工士の技術に大きく左右されます。
当院では、世界的に評価されている歯科技工士と連携し、色調・透明感・形態にまでこだわったセラミックを製作しています。歯科医師と歯科技工士が密に情報を共有することで、患者さま一人ひとりに合った自然な口元を実現しています。
噛み合わせを含めた包括的な診査・診断

見た目の美しさだけでなく、「しっかり噛めること」「長期的に安定すること」まで考えた治療を提供しています。
噛み合わせのバランスが崩れたまま審美治療を行うと、違和感、セラミックの破損、顎や身体への負担といったトラブルにつながる可能性があります。そのため、当院では必ず噛み合わせを含めた診査・診断を行い、口腔内全体を一つの単位として治療計画を立案します。
完成イメージの共有と丁寧なすり合わせ
治療前には、ワックスアップや仮歯(プロビジョナル)を用いて、完成形を共有します。
「どんな口元を目指すのか」を丁寧にすり合わせることで、「思っていたのと違う」という失敗を防ぎます。仮歯の段階で色や形を調整し、納得できる形を作ったうえで最終のセラミックへ移行します。
まとめ:セラミック治療後も継続的なケアが大切です
セラミックの歯は、銀歯と比べて虫歯になりにくい優れた素材です。
しかし、どれほど良い素材であっても、虫歯の再発リスクが完全にゼロになるわけではありません。セラミック自体は虫歯になりませんが、その下にある天然の歯が虫歯になる可能性があります。
虫歯の再発を防ぐためには、毎日の丁寧な歯磨き、フッ素の活用、定期的な検診とクリーニングが欠かせません。また、治療時の精度も非常に重要です。精密な型取り、高品質な接着剤、熟練した歯科技工士による製作、そして噛み合わせを含めた包括的な診査・診断が、長期的な成功につながります。
かわさと歯科・矯正歯科では、マイクロスコープを活用した精密治療、世界水準の歯科技工士との連携、そして機能と審美の両立を重視した治療を提供しています。「他院で治療したが仕上がりに納得できなかった」「より自然で上質な前歯にしたい」といったご相談も多くお受けしています。
セラミック治療をご検討中の方、すでにセラミック治療を受けられた方で不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。治療を無理に勧めることはありません。専門的な視点から、最適な選択肢をご提案いたします。
著者情報
かわさと歯科・矯正歯科 院長 川里 邦夫

資格・所属学会・団体
日本歯周病学会専門医・指導医
顎咬合学会認定医・指導医
SJCD(日本臨床歯科学会)認定医
歯科審美学会認定医
矯正歯科学会
口腔インプラント学会専門医・指導医
補綴歯科学会
臨床歯周病学会認定医・歯周インプラント認定医
接着歯学会
OJ正会員・フェローシップメンバー
AO(アメリカインプラント学会)
AAP(アメリカ歯周病学会)
