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インターナルブリーチ

2023年12月24日

インターナルブリーチ

 

治療名:インターナルブリーチ

費用:材料代8千、施術1万×3回

期間:3回

頻度:2~3日おき

症状:1歯の着色

治療法:35%過酸化水素による漂白(ブースト)

結果:着色が改善され歯は白くなった

リスク・副作用: 薬液による違和感、後戻り

 

インターナルブリーチ

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臨床:症例報告

 

インターナルブリーチ法によって色調改善を図った歯内治療後の変色歯症例

川里 邦夫

Serendipity かわさと歯科

 

A case report of endodontically discolored teeth by internal bleach

KAWASATO Kunio

Serendipity kawasato dental office

 

キーワード:endodontically discolored teeth(歯内治療後の変色歯), internal bleach(インターナルブリーチ),  Opalescence BOOST (オパールエッセンスブースト)

                                

緒言 

日常臨床において, 歯の変色を主訴とする症例は多い. 近年は, 白い歯への社会的ニーズが, 老若男女を問わず日増しに増加の傾向にある. 歯の変色にはさまざまな原因があるが,飲食物などの外来物質による外因性, 薬剤あるいは代謝異常によって生じる内因性の両者に分類されている. 特に歯内治療を受けた歯は, その後の時間経過とともに次第に変色することが多く, ホワイトニング治療によって改善を図ることが頻繁に行われている. ただし, 以前からよく行われていて, 最も信頼できる過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素水によるウォーキングブリーチ法は, 外部性歯根吸収歯冠破折の危険性も伴っている.

その危険性を避けるため, 本稿では、歯内処置後の変色に対し, 過酸化水素を有効成分とするオパールエッセンスブースト(ULTRADENT社)を用いたインターナルブリーチ法を施した症例について報告する. なお, 口腔内写真を掲載して症例報告を行うことについては, 患者本人からの同意を得ている.

症例

本報告はヘルシンンキ宣言を順守し, 行った. 初診から治療終了時までの顔面写真, 口腔内写真, エックス線写真等の資料, ならびに各種診察結果, 分析結果, 診断結果, 治療方針,治療経過等を記した書類を本症例報告に使用することを患者本人に説明し, 論文に掲載する承諾を得た.

 

患者:24歳3カ月, 女性.

主訴:1本だけ色の異なる歯があるので, 白くしたい.

既往歴:局所麻酔の異常なし, 全身疾患, 服薬などの, その他の特記事項なし.

現病歴:11歯は約7年前に, 一過性の冷水痛を覚え他院を受診した. 齲蝕症との診断により, コンポジットレジン修復を受けた. その後問題なく経過していたが, 約4年前に自発痛が生じ, その後, 次第に色が変わり気になってきたという.

現症:11歯は歯冠全体が一様に変色し, 近遠心に3級コンポジットレジン修復が施されていたが, 修復物辺縁に褐線が認められた(図1). VITA classical シェードガイド(VITA)による視感比色法ではA3よりも彩度が高かった(図2). 嗜好品としては, 喫煙はないがコーヒーを1日当たり2~3杯程度飲んでいるという. エックス線検査では根管充填状態は良好で, 根尖部の異常は認められなかった(図3).

診断名:歯内治療後の変色歯

 

1. インフォームドコンセントの獲得

初めに, 歯内治療後の変色の原因について説明した. 次いで, 前歯の色調改善が可能な治療方法の説明を行った. すなわち, 歯の漂白, マニキュア法, ラミネートベニア修復, 全部被覆冠装着などである. おのおのの治療法について長所・短所を含め説明したところ, なるべく歯を削りたくないという本人の希望があり, インターナルブリーチ法を奨めた.

そして, 生体や変色原因により漂白効果には個人差があること, 漂白効果が恒久的でないこと(漂白の後戻り), また漂白後の歯の色が満足のできる状態にならない場合あること(漂白効果の限界)を説明し, 了承を得られたので処置を行った.

 

  1. 治療方針

初診時に引き継き,口腔内写真の撮影, 研究用模型の印象採得, 歯周組織検査, エックス線撮影を行った. 次回来院時に各検査結果を説明し, 再度の相談により, 口腔清掃指導, PMTCの後にオパールエッセンスブースト(ULTRADENT社)を用いたインターナルブリーチ法を行い, コンポジットレジン再修復を行うことを治療計画として決定した.

3.処置内容

1)初回~4回目

歯科衛生士とともに口腔清掃指導およびPMTCを開始した. 口腔清掃指導は, 通法のブラッシング指導およびデンタルフロス等の指導を中心に行った. また, 歯面に対しては歯石除去だけでなく, 歯冠表層のコーヒー由来と考えられるステイン除去に留意した.

2)5回目

今回よりインターナルブリーチ法を開始した. 初めに, 術前処置として歯肉および口唇へのワセリン塗布を行った後に, 舌側よりアプローチを行い, ダイヤモンドポイント装着のエアータービンを用いて充填物の除去により歯髄腔開拡を行った. その際には, ペリオプローブを併用して, 歯肉縁下約2mmを目安として根管充填材および根管充填用セメントを除去した. これは, 解剖学的歯頸線までを確実に漂白することを目的としたものである.

その後, 根管内洗浄, ペーパーポイントによる乾燥を行い, 漂白剤の漏出防止のためにレジン添加型グラスアイオノマーセメントによる裏層を行った. この際にはプローブを併用して, 象牙細管の走行を考慮し, セメントエナメルジャンクションと同等の高さまで象牙質および根管充填材を裏層するように留意した.

そして裏層材硬化を確認した後に, オパールダム(歯肉保護レジン)を使用し, 唇側と口蓋側の辺縁歯肉を保護し, 本法における漂白剤であるオパールエッセンスブースト(35%過酸化水素水とpH調整材)を混合し, 根管内象牙質壁と唇側歯面に塗布した(図4). 塗布後5分間静置し, 3分間光照射器を用いて光照射を行い, そのまま2分間静置した. 続いて,付属のバキュームアダプターとチップを用いてオパールエッセンスブーストを吸引・除去し, 根管内象牙質壁と唇側歯面を洗浄・乾燥させ, 再度同じ手順を繰り返した(最大3回まで). 施術後, 洗浄し歯肉保護レジンを除去し, 非ユージノール系修復材(BASE CEMENT WHITE, 松風)で暫間充填をし,口蓋側の咬合調整を行い終了した.

3)6~7回目

来院までの不快症状発現の有無などを確認した後に, 暫間充填材除去, 根管洗浄, 新規漂白剤の再塗布, 再暫間充填を行った. なお, 一度混和したジェルは10日間保管できるため,その間に再度の漂白を行った.

4)8日目

患者自身の色調改善による満足が得られたため, 合計3日で漂白処置を終了し, 漂白後の処置に移行した. 初めにシェードガイドによる色調確認と口腔内写真撮影を行った. 暫間充填材除去,, 根管洗浄を行った後に, 最終修復処置に移行した. 歯髄腔開拡を行った口蓋側コンポジットレジン修復(PREMISE BODY A2, Kerr)を行った. 次いで, 変色および 褐線が認められた近遠心に3級コンポジットレジン修復を除去し, 再修復物を施した(図5)。

5)漂白終了3年経過後

後戻りは認められず, 患者本人の満足度も高かった.

 

考察

歯内処置後の変色は古来より知られてはいたが, その対応法として最初に次亜塩素酸塩を用いたのが19世紀中頃で, その後過ホウ酸ナトリウムの採用を経て, 高濃度過酸化水素水を用いたウォーキングブリーチ法が確立されたのは1960年代に入ってからのことである.以来, 適切な術式を順守すれば確実な結果を得られる漂白法として、周知されるとともに頻用されている.

過酸化水素は無色・粘性が高い液体からなる酸化剤で, 使用用途は漂白剤、消毒剤, ロケットの燃料などに用いられている. 低濃度(2.5~3.5%)過酸化水素水はオキシドールとして消毒剤に使用される. 過酸化水素は、光・熱・金属イオンに接することにより急激に分解され, ヒドロキシラジカルあるいはヒドロキシペルオキシラジカル(不対電子)を生じる.この過酸化水素が分解して発生したラジカルは, 極性がきわめて強く不安定な不対電子をもち, 着色分子の不飽和二重結合を切断することにより, より低分子の物質となる. ホワイトニングの原理は, 歯の着色分子となる有色の物質の二重結合部分を, フリーラジカルが酸化・分解することで無色の物質にすることである. 高濃度過酸化水素水から発生するフリーラジカルが, エナメル質の表層に効果を発揮し, エナメル質におる有機質成分に富んだエナメル葉やエナメル叢を通して, ホワイトニング材が浸透・拡散を促進させている可能性も考えられている.

その適切な術式に関して, Dietschiは残存組織有機物, 根管充填用セメントなどの完全な除去を第一に挙げている. そして, 通法の臨床術式として、根管充填物を歯肉縁下1.5~2.0mmまで除去することを推奨している. 歯内処置あるいは失活歯における変色は, 歯髄腔内の歯髄残余物が原因であり, その不十分な除去がインターナルブリーチ法における後戻りの要因となるとされ, 徹底的な除去が必須となる. 幸い本症例においては, 術後に明確な後戻りは認められなかったが, これは髄角部の歯髄残余物などの徹底除去に努めたことが一因として挙げられる.

臨床においては, 象牙細管走行の方向を考慮して, 歯根外部吸収を惹起しうる根管外部への薬液漏出を避ける必要が常に存在している. したがって, 従来の高濃度過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混和物でのインターナルブリーチ法ではなく, オパールエッセンスブースト(ULTRADENT社)を用いた方法を選択した.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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