顎関節症・噛み合わせ・親知らず顎咬合学会認定医

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かわさと歯科・矯正歯科の噛み合わせ・口腔外科

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「顎が痛い」「口が大きく開かない」といった症状を招く顎関節症。また、噛みしめや食いしばりといった日常のクセが招く噛み合わせの乱れ。強い痛みを伴う親知らず。――お口のお悩みは、虫歯や歯周病以外にもさまざまなものがあります。

大阪市梅田・北新地の歯医者「かわさと歯科・矯正歯科」では、こういった症状に対する治療も行っています。患者さんが悩まれている症状をしっかり把握し、一人ひとりに適した治療をご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。

噛みしめ・食いしばり

噛みしめ・食いしばり

あまり意識していませんが、通常上下の歯はほとんど接触しておらず、上下の歯の間には「安静位空隙(あんせいいくうげき)」と呼ばれる1~3mm程度のすき間が存在します。上下の歯が接触している時間は意外と短く、食事の時間を入れても1日わずか15~20分程度だといわれています。

しかし近年、精神的ストレスを抱える方が増え、顎の筋肉が過緊張することで何十分も噛みしめ続ける習慣を持つ方が増加。この習慣を「クレンチング」といいます。

クレンチングとは

クレンチングとは

クレンチングの習慣があると、「歯が揺れ始めた」「歯が浮いて、ものを噛めない」「知覚過敏が起こる」「口を開け閉めすると関節が痛む」「同じく音が鳴る」「肩こりがある」といった症状を招きます。

このような患者さんに対して検査をしても、必ず「虫歯・歯周病である」という結果になるとはかぎりません。しかしすでに歯周病の方がクレンチングを開始すると、歯を支える歯周組織に大きなダメージを与え、歯周病を悪化させてしまうこともあります。

なおクレンチングは「噛みしめ」のことを指しますが、歯ぎしりにも同じことがいえます。無意識のうちに、噛みしめや歯ぎしりをしていないか、仕事中などにもときどき手を止めて確かめてみることをおすすめします。

もしクレンチングしていることに気づいたら、20~30秒間ほど上を見上げて背筋を伸ばし、深呼吸してみましょう。少しでもストレスが和らげば、緊張していた筋肉も緩むはずです。歯を長持ちさせるためにも、ふだんから上下の歯が接触しない状態を保つよう意識してみませんか?

「噛みしめ」が招く症状

「噛みしめ」が招く症状

人はリラックスして唇を閉じている状態でも、通常上下の歯の間はわずかに開いているものですが、仕事に集中していたり緊張していたりすると、上下の歯が接触していることがあります。強い力はかかっていませんが、これも「噛みしめ・食いしばり」に含まれます。

接触した状態が長く続けば、顎のまわりの筋肉が緊張。そして全身も緊張状態になります。噛みしめが続けば自律神経の交感神経が緊張し続け、以下のような症状を招きます。

  • 頭が痛い
  • 頭が重い
  • 目が疲れる
  • 目が見えにくい
  • 肩が凝る
  • 首が痛い
  • 首が凝る
  • 胸がつまる
  • 背中が痛い
  • 腰が痛い
  • 腰が重い
  • 手足が冷える
  • 手足がしびれる
  • 歯がしみる
  • 虫歯はないのに歯が痛い
  • 口内炎ができる
  • 唾液が出にくい
  • 口臭
  • 喉がつまる
  • 耳が聞こえにくい
  • めまい
  • お腹の調子が悪い
  • 生理痛
  • イライラする
  • 風邪をひきやすい
  • 眠れない
  • 朝起きられないなどの自律神経失調症
  • 元気がない
  • 気分が落ち込む
  • 落ち着かない ……
噛みしめ・食いしばりを改善しましょう

噛みしめ・食いしばりを改善しましょう

噛みしめ・食いしばりを改善するには、まず「噛みしめ・食いしばりはお口や全身に悪影響を与えている」ということを認識する必要があります。その上で、「噛みしめない」と意識することが大切です。

以前は「奥歯でしっかり噛んだり、硬い食べ物を何回も噛んだりするほうが顎にいい」といわれていましたが、必要以上に強い力をかけるのはよくありません。日中には以下のことに注意し、噛みしめ・食いしばりの習慣を改善していきましょう。

  • 舌は上顎につけて唇を閉じ、上下の歯は合わせない
  • 噛み合わせていることに気づいたら、すぐに歯を離す
  • 唇や頬、顎など口のまわりの力を抜く
  • 緊張時、集中時には姿勢をよくし、肩の力を抜いて深呼吸する
  • ストレスを溜めない
  • 重い物を運んだり、激しい運動をしたりするときには、とくに噛みしめないよう注意する

歯ぎしり

歯ぎしりや噛みしめは特異なものではなく、96%の人がしているともいわれています。誰でもしているクセのようなものであり、とくに問題がなければ放置していいでしょう。しかし場合によっては次のようなトラブルを招くことがあります。

「歯ぎしり」「噛みしめ」が招くトラブル
歯への障害 歯の磨耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛い など
歯周組織への障害 歯肉炎 歯周疾患(歯周炎)
顎関節への障害 顎関節痛、開口障害、カックン音 など
全身への障害 顔面痛、頭痛、肩凝り、腕のしびれ、腰痛 など
その他 舌痛症、むちうち症状、倦怠感 など
噛みしめ・食いしばりを改善しましょう

「歯ぎしり」「噛みしめ」が招くトラブル

これらの症状の原因が、必ず歯ぎしり、噛みしめというわけではありませんが、トラブルにつながるリスクがあるクセは直しておいたほうがいいでしょう。しかし歯ぎしり、噛みしめは、眠っているときや何かに夢中になっているときなどに起こることが多いため気づきにくいのも特徴です。それでも、本気で意識すれば改善することが可能です。

「歯ぎしり」「噛みしめ」の改善方法
1. まずは、日中の気づきから
  • 歯ぎしり、噛みしめは、日中仕事などに集中しているときに無意識下でしていることがあります。それに気づいたら、肩を上下させて首から上の力を思い切り抜き、同時に頬の力を抜きます。そうして歯を噛み合わせないようにしてから、仕事に戻りましょう。
  • 可能であれば、初めのうちは口元を半開きにします。人目が気になるようなら、唇を合わせてかまいません。
  • 無意識でしている噛みしめに気づくのは、難しいものです。そこで、たとえばふだんよく使うペンなどの道具にカラーテープなどで印をつけ、それを見たら口元を気にする、といったルールをつくるといいでしょう。
2. 夜眠っているときにも意識して

起きているときはともかく、眠っているときにしていることに対してコントロールはできない、と思われるかもしれません。しかし「明日は朝4:00に起きなければならない」と思って寝ると、自然にその時間に目が覚めたといったこともあります。これは、「起きたい」という気持ちと体内時計が共同作業をして、その時刻に目覚めることができたのです。

つまり「その気」になれば、「眠っている間に上下の歯を合わせない」ことも可能になるのです。

STEP1前準備
  • まず枕を低くし、首のつけ根近くに枕をあてます。そうすると頭が上を向き、口が開きやすくなります。おもに仰向けで寝る方は、バスタオルをロール状に巻いて長い枕をつくるものおすすめです。横向きで寝る方は、背筋がまっすぐになるよう高さを調整しましょう。
  • 布団は「眠るだけの場所」と決め、何も考えないようにしましょう。どうしても考えることがあるときには一度布団から出るようにします。または、朝目が覚めてから考えるという習慣をつくるのもおすすめです。
STEP2本番
  • 一旦思い切り噛みしめ、1~2分後にフッと顎の力をすべて抜くと、わずかに口が開きます。リラックスしたその状態で一晩中眠れるのが理想的です。
    次に、思い切り口を開けてから、カクンと脱力します。すると、ほぼ同じ位置で顎が閉じるのではないでしょうか。顎の関節が痛む方は無理をせず、開けられるところまでで大丈夫です。
  • 1.をする際には、呼吸を一緒に合わせてみましょう。つまり、力を入れるときに一旦息を吸い、1~2秒止めてから一気に吐くのです。口を半開きにしたまま、次の動作に移りましょう。
  • そして、肩に思い切り力を入れて、1~2秒してから突然脱力します。こちらも、呼吸を合わせてください。同様に、胸やお腹、太ももまで脱力し、最後に足の先からその日すべての疲れやストレスを追い出してやるような気持ちで、大きく息を吐き出しながら脱力します。
    何回もくり返すと、手の平や足の裏などが少し温まってくるのを感じるかと思いますので、さらに温まるのを意識してみてください。
  • 最後にもう一度、顎の力が抜けていることを確認します。
STEP3自己暗示

呼吸に意識を傾け、吐くときに脱力することをくり返し、手足やお腹が温まってくるのを感じます。そして、「リラックス、リラックス」「いい気分、いい気分」「楽だ、楽だ」など、何でもいいので自分がリラックスできる言葉を唱えるのもいいでしょう。

同時に、「噛んではいけないぞ」「歯を合わせない」「開けて寝る」といったことをいい聞かせます。最後に、次の朝すべての症状がなくなり、すっきりさわやかに目覚める自分の姿をイメージしながら、眠りに入ってください。

『日本顎咬合学会誌 第20巻 第2号 1999』より

  • 2. 夜眠っているときにも意識して

    さわる咬合・さわらない咬合 2012 クインテッセンス出版より

  • 2. 夜眠っているときにも意識して

    H25.4.19 大阪読売TV・ミヤネ屋にて当医院が放映

~ストレスを感じていませんか~

~ストレスを感じていませんか~

心配ごとがあったり、疲れていていたりとストレスを感じたとき、個人差はありますが、人は睡眠中に歯ぎしりや食いしばりをすることで、無意識のうちにストレスを発散しています。上下の歯をこすり合わせていたり、噛むようにしていたりするとカチカチ音が鳴りますが、強く食いしばっていれば音が出ないこともあります。

またスポーツ選手や重い物を運ぶ仕事をされている方は、力を入れる際に食いしばる習慣があり、睡眠中にもそのクセが出てしまうことも少なくありません。噛み合わせが悪い方も、お口まわりの筋肉に無理な力が加わることで歯ぎしりなどをすることがあります。

歯ぎしり・食いしばりは起きているときでもするものですが、睡眠中は大脳皮質の働きが抑制されているため力を調整できず、60~120kgという大変大きな力が加わるといわれています。通常、人は1日のうち上下の歯が接触する時間は、食事を含めわずか15分程度。歯ぎしり・食いしばりで強い力がかかれば、さまざまな問題を招きます。

お口の中のトラブル
  • 歯がすり減る
  • 歯にヒビが入る
  • 歯が欠ける
  • 詰め物やかぶせ物が壊れたり取れたりする
  • 歯根がクサビ状に削れる など
歯がしみる
知覚過敏症
歯が削れる、表面のエナメル質がはがれる、歯根が露出するなどして外部からの刺激が歯の内側の神経を刺激。しみたり、傷んだりします。
歯のまわりの骨の吸収
歯周病の要因
歯がゆすられてまわりの骨に過剰な力がかかり、骨が溶けるように吸収され、歯周病を悪化させます。
歯のまわりの痛み
歯根膜炎
歯と骨の間には、歯に加わる衝撃が骨に伝わる際に緩和させたり、物を噛むときの間隔を伝えたりする役目を持つ歯根膜(しこんまく)繊維があります。それが炎症を起こし、痛みを招きます。
頭痛
顎関節の痛み
心身的なストレスは顔まわりの筋肉をこわばらせ、顔つき、目元、口元の見た目を変えます。とくに咬筋、側頭筋などの噛むための筋肉がこわばると、痛みが生じ、さらに顎関節症や頭痛を招くこともあります。

スプリント(ナイトガード)

日常生活において、歯ぎしり・食いしばり・噛みしめといったクセがあると、さまざまな問題を招きます。症状がひどい場合には、治療が必要です。そこで当院が行っているのが「スプリント(ナイトガード)」と呼ばれる、マウスピースを使った治療です。

スプリント(ナイトガード)とは

スプリント(ナイトガード)とは、上下の歯が直接噛み合わないようにするために、クッションのような役割を持つマウスピースです。通常就寝時に装着し、歯ぎしりなどで歯や歯根、顎の骨などにかかる負担を軽減し、同時に正しい噛み合わせに導いていきます。

スプリント(ナイトガード)をはめた状態です。 透明なマウスピース型の装置です。 歯ぎしりなどでかかる、歯や歯根への負担を緩和します。
スプリント(ナイトガード)をはめた状態です。 透明なマウスピース型の装置です。 歯ぎしりなどでかかる、歯や歯根への負担を緩和します。
このような方におすすめです
歯がすり減っている方 クサビ状の欠損がある方 骨隆起がある方
歯がすり減っている方 クサビ状の欠損がある方 骨隆起がある方

【注】「噛む力が強い」「歯ぎしり・食いしばりをする」といったことは病気ではなくクセですので、スプリント(ナイトガード)を入れることでそれらのクセがなくなるわけではありません。

親知らず~抜歯の必要性~

親知らず~抜歯の必要性~

一番奥にある大臼歯の、さらに奥に生えてくる親知らず。第3大臼歯とも呼ばれる歯です。食生活の変化によって顎が小さくなった現代人には生えるスペースがなく、7割の方が正しく生えてこないといわれています。

横向きに生えたり、中には生えてこなかったりする親知らずは、汚れが溜まりやすく虫歯や歯周病になりやすいのも特徴です。さらに手前の歯も巻き込んで虫歯にすることも多く、抜歯が必要になるケースがほとんどだといえます。

ただし虫歯・歯周病になっていても、「噛むために役立っている」「今後は虫歯・歯周病にしないようきちんとケアする」といった場合には、治療を選択します。この判断はご自分では難しいため、親知らずについては一度当院までご相談ください。