スケルタルクラスⅡ
2024年6月25日
広汎型重度慢性歯周炎を伴ったスケルタルクラス2の咬合再構成症例
キーワード:スケルタルクラス2、戦略的抜歯、補綴歯科治療
[症例の概要]
39歳 男性。初診2016年12月。主訴;上下の前歯が動いて噛みにくい。所見;患歯は2度の動揺・根尖までの骨吸収があり保存不可能。15歯12歯11歯25歯欠損。4mm以上のポケット64.6%、6mm以上のポケット16歯、ほとんどの歯に1〜2度の動揺、上顎前歯はフレアアウト。
[治療方針・治療経過]
上下顎の唇側傾斜を改善するために、舌側移動を補綴歯科治療にて行う。その際に、予知性の乏しい21歯22歯31歯32歯41歯42歯を戦略的に抜歯し、上顎前歯はインプラントブリッジ、下顎前歯は犬歯支台のブリッジを用いる。17歯16歯13歯23歯26歯27歯36歯43歯に歯周外科を行い、治癒後すべての歯に最終補綴装置オールセラミッククラウンを装着した。治療期間は3年11か月で、1年半ではあるが、 審美的に良好な経過を得られている。
[考察]
広汎型重度慢性歯周炎を伴ったスケルタルクラス2に対して、炎症のコントロールと力のコントロールが行え、機能と審美を獲得できた。
【症例の概要】
39歳男性。初診2016年12月。
主訴;上下の前歯が動いて噛みにくい。
現症;21・32歯は2度の動揺、根尖までの骨吸収があり保存不可能。
15・12・11・25歯欠損。4mm以上のポケット64.6%、6mm以上のポケット16歯、BoP陽性77.8%、
ほとんどの歯にⅠ~Ⅱ度の動揺、上顎前歯はフレアーアウト。
歯科既往歴;ここ数十年未治療であった。

初診時の口腔内写真

広汎型慢性歯周炎
ステージⅣ
グレードB

初診時のセファロ分析
【治療方針・治療経過】
上下顎前歯の舌側移動を補綴歯科治療にて行う。
予知性の乏しい21・22・31・32・41・42歯を戦略的に抜歯し、上顎前歯はインプラントブリッジ、下顎前歯は犬歯支台のブリッジを用いた。17・16・13・23・26・27・36・43歯に歯周外科を行い、治癒後すべての歯にオールセラミッククラウンを装着した。
治療期間は3年11か月で、1年半ではあるが、良好な経過を得られている。

診断用ワックスアップ

抜歯

歯周基本治療終了時

歯周基本治療終了時

歯周外科

支台歯形成

最終補綴装置

最終補綴装置

治療後のセファロ分析
【考察】
広汎型重度慢性歯周炎を伴ったスケルタルクラスⅡに対して、炎症と力のコントロールが行え、機能と審美を獲得できた。
大阪市北区曽根崎新1-4-20桜橋IMビル4F
かわさと歯科・矯正歯科
日本歯周病学会専門医・指導医
院長 川里 邦夫
- 治療名
- 歯周組織再生療法とスケルタルクラスⅡのセラミックによる咬合再構成
- 費用
- 3,600,000円(税込み)
内: オールセラミック1本/120,000円、再生療法170,000円 、 - 治療期間
- 2年半
- 通院頻度
- 1ヵ月 2回
- そのほか患者様情報
- 39歳・男性
初診日 2018. 11.1.(6年経過症例)
治療内容
-
患者様の症状
- スケルタルクラスⅡであった。
- 10数年歯科医院にて治療を受けたことがなく、見た目が良くない、噛めないとのことで治療を希望された。
全身的な問題はなかった。 -
治療法
- 7箇所に再生治療をし、スケルタルクラスⅡをオールセラミックにて咬合再構した。
- 保存可能かどうか不確かな歯を戦略的に抜歯した。
-
治療結果
- 審美的な仕上がりで、患者自身も満足した。6年経過し良好である。
咬合の安定のためセラミッククラウンにて治療した。
※治療結果は患者様によって個人差があります。
治療を行う上での 注意点 (リスク・副作用)
オールセラミックには欠け易いといったリスクがあるためナイトガードは必須である。
そのほか
咬合力が強いためナイトガードは必須である。